企業インタビュー#2 〜有限会社マルエス紙工〜

こんにちは。びんごデジタルラボ事務局です。

インタビュー第2弾は,昨年度「DIGILAB5」にもご登壇経験のある「有限会社マルエス紙工」様です。

企業 Profile
企業名 有限会社マルエス紙工
本社所在地 〒720-2413 広島県福山市駅家町大字法成寺 1575-6
福山北産業団地内
業務内容 業務用梱包資材の製造・加工・販売
企業ホームページ http://maruesushikou.co.jp/

マルエス紙工様は,QRコードを活用した在庫管理システムを導入することで毎月実施している棚卸作業の効率化や省人化をされております。

そこで,今回のインタビューではこの事例を深掘りするべく,代表取締役 水川信治様,取締役本部長 水川清美様にお聞きしました。

この記事でわかること
  1. 棚卸業務におけるデジタル技術(QRコードシステム)を活用した業務効率化
  2. マホやパソコンが苦手な従業員と一緒に進めた業務効率化

将来性と互換性から選んだQRコード

ーQRコードを活用した棚卸作業とはどのような作業ですか?

水川信治様スマホで,材料/半製品/製品ごとにあるQRコードを読み取り,登録されている情報を把握して,現場で数量の整合性確認及び修正を行うことができる棚卸作業です。

ー導入に至った背景を教えてください。

水川信治様:理監査をする中で,実施の数量と帳簿の数量が大きく異なることが続きました。QRコードを導入する以前の棚卸作業は,従業員全員でリストを片手に持って,鉛筆で数量を記入して事務所に戻りパソコンに入力するような対応をしており,人手と時間が必要となる作業でした。

この方法では入力間違いなどのヒューマンエラーが起こり,修正や再確認など含めて膨大な時間が必要でした。なんとか改善できないかなと思っていたところ,とあるリーフレットの中に記載のあった「QRコード」というキーワードから今回の棚卸作業をひらめきました。

ーQRコードに着目したポイントを教えてください?

水川信治様:QRコードだと(バーコード等と比較すると)より多くの情報を入力することができます。弊社は毎月在庫が一定ではなくランダムな在庫が残ります。加えて,同じ在庫でも種類が3種類あり,名前と値段の異なるアイテムも非常に豊富にあります。そのため将来的に多くの情報を処理できるQRコードを選択しました。
また,自社で使っている販売管理ソフトとの互換性の良さも,QRコードを選択した理由の一つです。

インタビューの様子(中央左が水川信治様。右が水川清美様)

画像:インタビューの様子(中央左が水川信治様。右が水川清美様)

人手も時間も大幅削減

ーシステムの導入までの期間はどのくらいかかりましたか?

水川信治様:システムの導入には3か月半くらいかかりました。
不具合や修正を繰り返し,システムを滞りなく使える状態になるまで約1年かかりました。

ーQRコードを導入したことによる従業員の反応はどうでしたか?

水川信治様:当初は少なからず困惑はありましたが,次第に作業効率が上がり,従業員のモチベーションも上がりました。今はデジタルツールに免疫のあるメンバーを中心にシステムを使ってもらっていますが,今後は苦手な人にも使ってもらう予定です。作業がしやすいように改善を繰り返して,安心して使えるように日々アレンジを加えています。

ーシステムの導入効果はどのようなものでしたか?

水川信治様:以前は26名で棚卸作業を行っていましたが,システムを導入してからは6名で運用できるようになりました。また,導入前は手書きでリストに記入し,その後にパソコンにデータを入力する運用だったのでおおよそ30時間ほどかかっていました。今は延べ3時間くらいに短縮することに成功しました。人手と時間を大きく削減することができましたね。

システム導入初期はエラーも多くありましたが,現在はクリティカルなエラーも格段に減りトラブルもほとんどありません。
今までは製造ラインを止めて,26名総がかりで棚卸作業を行っていました。システム導入の結果,棚卸作業に必要な人員も減ったので現在は製造ラインを止めることなく並行して進めるようになったのも大きな効果です。

実際の棚卸現場の様子

画像:実際の棚卸現場の様子

苦手な人でもできることから少しずつ

ーお話の中にありました「デジタルが苦手なメンバー」へはどのようにアプローチをされていますか?

水川清美様:きなり全てを使えるようになるのは難しいため,「できるところからやってもらう」ことを大切にしています。

モチベーションを高く維持するためにも,一度に覚えるのではなく役割を明確にし「今日はここまで」といった形で,日々の中で無理なくデジタル化できるように取り組んでいます。

ー大切なのは日々の業務で少しずつデジタル技術に触れていくことなんですね

水川清美様:そうですね。弊社は社員の年齢層が高く40~50代が最も多いです。そのためスマホを持っていない方やあまり使いこなせていない方もいます。その方々に押し付けることでデジタル技術に対する不信感や嫌悪感が募るのを避けたいと思っています。

「できることから始めていく」ことを念頭に,簡単な作業から馴染んでもらうことが大切です。画一的な指導ではなく,従業員それぞれのステップでデジタル化を進められたらと考えています。

また,デジタル技術に慣れるだけでなく,もっと根本的にデジタルの良さを知ってもらうことも大切だと思っています。「デジタル技術を使うと便利なんだなぁ」と実際に感じてもらう。その上で経営につながるデータをデジタル技術を通じて集めてもらう。そのデータを使い経営の作戦を練る。そのような情報の繋がり方を従業員全員に知ってもらいたいです。

ー本日は貴重なお話ありがとうございました。

インタビュー記者の感想
有限会社マルエス紙工の水川信治様と水川清美様にQRコードを活用した具体的なデジタル化への取り組みだけでなく,デジタル化への向き合い方についても教えていただきました。

お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました。

取材者:びんごデジタルラボ事務局